1.夾竹桃

作詞:小野彩
作曲:伊藤雪彦

ひと枝折れて
ほのかに香る想い出よ
忘れたはずの人なのに
二人暮らした部屋の窓辺には
夾竹桃が今も咲いている
紅色の花びらが心を揺らす

夕暮れ染めて
静かに灯る街の燈よ
足音ばかり気にかかる
あなたの好きな手料理を覚え
時計見つめて いつも待っていた
鉢植えの紅い花 想いを寄せる

別れの辛さ
心の傷は薄れゆく
悔んでみても遅すぎる
あなたのことを想い出す度に
夾竹桃の燃える花びらに
夏の日の帰らない幸せ浮かぶ


2.紅い糸

作詞:小野彩
作曲:小野彩

死にたいなんて 男のあんたに
言って ほしくなかったわ
せめて 一緒に ついて来いと
獣みたいに 抱きしめて
心を乱した 吐息が
甘く 切なく からみ合う
あ〜 あ〜 あ〜
闇に 溶けゆく 紅い糸

生きるも死ぬも あなたに預けた
たった ひとつの この命
幻(ゆめ)に さまよい 戸惑うなら
冷えた 刃を 突き刺して
心が痛いの 涙で
濡れて もつれて ほどけない
あ〜 あ〜 あ〜
月を 誘(いざな)う 紅い糸

心をつないで 小指を
そっと 重ねて 結び合う
あ〜 あ〜 あ〜
運命 悲しい 紅い糸


3.無情の酒

作詞:三浦康照
作曲:水森英夫

酒よお前は 罪な水
なんで私を いじめるの
飲んであの人 忘れたい
酒といっしょに 泣きながら
酒といっしょに 酔いたいの
わかっておくれ 無情の酒よ

(台詞)
「あの人が好きだった辛口のお酒…。
ねぇ お願い、忘れさせて…」

胸の苦しさ 消すために
縋るお酒の はずなのに
飲めばなほ増す 恋しさを
ひとり酒場の 片隅で
酒に沈めて 飲みほすの
わかっておくれ 無情の酒よ

酒よお前を 責めるより
飲んだ私が 悪いのね
どうせ戻らぬ 人なのに
酒といっしょに 泣きながら
酒といっしょに 酔いたいの
わかっておくれ 無情の酒よ


4.宵待草

作詞:小野彩
作曲:小野彩

長い黒髪 優しく触れて
ひと夜の夢を くれた人
叶わぬ恋と あきらめて
涙で 涙で 手酌酒
女の意地を 守ってきたけれど
ああ 崩れてしまいそう
雨に濡れてる 宵待草

愛を探して 訪ねて来たの
虚(うつ)ろう心 抱きしめて
川面に浮かんだ 朧(おぼろ)月
涙で 涙で 揺れている
女の胸に 想い出置いたまま
ああ 残していかないで
夜に迷い散る 宵待草

つのる想いを 心に秘めて
明日を信じた みれん花
交わしたお酒に 酔いながら
涙を 涙を 流したい
女の幸せ その手で暖めて
ああ 咲かせて欲しいのよ
春を待つ身の 宵待草


5.雪荒野

作詞:下地亜紀子
作曲:浜圭介

卍(まんじ)ともえに 降る雪が
身八口(みやつくち)から 忍び込む
追って行きたい 行かれない
恋も通わぬ 三国(みくに)の峠

※風が呼ぶ 山が泣く
夜が震え 心が凍(こお)る
あなた信じて いいですか
あなた待っても いいですか※

春まだ遠い 越後路(えちごじ)に
機(はた)おり唄が すすり泣く

雪に埋もれてヨー
今夜も一人 あなた恋しやヨー
トンカラリ トンカラリ

白い荒野の 満月が
頬の涙を 照らします
逢いに行きたい 行かれない
指にくいこむ 運命の麻糸(いと)よ

信濃川 雪さらし
小千谷(おじや)ちぢみ
命がやせる
少し泣いても いいですか
少し恨んで いいですか
夢まだ遠い 越後路で
想い出抱いて 眠ります

※(くり返し)

雪解けまぢか 越後路に
桜の花は いつ開く


6.花びら慕情

作詞:三浦康照
作曲:水森英夫

花の命の 儚なさと
同じさだめか 私の恋も
燃えて散るなら あなたの胸で
女ごころの 花びらひとつ
そっとやさしく掌に
ひと夜でいいのよ 包んでほしい

白い椿の 花びらを
けむる湯もやが 淋しく濡らす
つのる想いに また逢いたさに
夢の名残りを 探しに来たの
ひとりたたずむ 湯の町の
あなたと別れた 思い出橋に

花に命が あるように
命かけたの ふたりの愛に
どうせ私は 涙の花で
散ってゆくのよ 悲しいけれど
こんな女の いたことを
わかってほしいの あなたにだけは


7.曼珠沙華

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

涙にならない悲しみのある事を知ったのは
ついこの頃 形にならない幸福が
何故かしら重いのも そうこの頃
あなたへの手紙
最後の一行 思いつかない
どこでけじめをつけましょ
窓辺の花が咲いた時
はかなく花が散った時
いいえ あなたに愛された時

※マンジューシャカ 恋する女は
マンジューシャカ 罪作り
白い花さえ 深紅に染める※

あてにはならない約束をひたすらに待ち続け
そう今でも 言葉にならない優しさを
ひたむきに追いかける そう今でも
あなたへの想い
どこまで行ったら止まるのかしら
そんな自分を もて余す
机の花が揺れた時
ほのかに花が匂う時
いいえ あなたに愛された時

マンジューシャカ 恋する女は
マンジューシャカ 罪作り
命すべてを 燃やし尽くすの

(※くり返し)


8.寄りそい橋

作詞:小野彩
作曲:小野彩

一途なおんなのため息を
優しい胸で温めて
叶わぬ夢とあきらめました
涙こぼれる寄りそい橋から
情けの川が あなた、あなた…
見えますか

(セリフ)お別れしてから二度目の春です
今でもあなただけを、愛しています

一生あなたに尽くしたい
子猫のように甘えたい
小さな明かり灯してくれた
窓に揺れてる寄りそい橋から
渡りきれない あなた、あなた…
恋しくて

冷たい小雨が身にしみる
散りゆく春にひとり泣く
許してあなた どうしてますか
桜ひとひら寄りそい橋から
みれんの心 あなた、あなた…
届けたい


9.流氷恋唄

作詞:小野彩
作曲:小野彩

最果ての色褪せた空も凍る街
ここは網走 最後の波止場
あなた二度と 追いかけないで
これが運命と 諦めて
沖のはぐれ鳥 北へ北へ北へ行く
流氷恋唄

恋しさに泣き濡れた遠い北の街
風も散切れる 能取岬
あなたもっと 私を抱いて
熱い唇 重ねても
明日は流れ鳥 何処へ何処へ何処へ行く
流氷恋唄

あなた二度と戻れはしない
なさけ断ち切る 紋別港
春を告げる鳥 飛んで飛んで飛んで来い
流氷恋唄


10.おばこ巡礼歌

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

北の岬に 夕陽が散って
ひとり旅には お似合いネ
忘れようにも 思いでばかり
すべて枯れ果て 旅にでた
ふわり、ゆらり… そっとしといてョ
男鹿のカモメ 私も泣くワ
おばこナ…

昔あんたと 吹雪の中で
再会誓って 別れたネ
忘れようにも 思いでばかり
あの日の ふたりの 日本海
ぱらり、ぽろり… あんたどこ居るの
男鹿の風よ 会わせても一度
おばこナ…

便り届かず 涙も枯れて
月日お酒が 増えるだけ
忘れようにも 思いでばかり
遠くでいいから 会いたいの
カラリ、コロリ… 運命から回り
男鹿の波よ お願い あのひと
おばこナ…


11.愛染橋(あいぜんばし)

作詞:松本隆
作曲:堀内孝雄

春一番が吹き荒れた後
花を敷いた路地へ
今日こそ返事聞かせてくれと
問いつめられそうで

あなた以上にやさしい人は
いそうにもないけど
結婚なんて旧(ふる)い言葉に
縛られたくなくて

橋の名は愛染橋
ほほえんで渡れば恋がかなう
うつむけばそれきりとまどい橋

うちは淋しい女やからね
愛なんてよう知らん
時の流れも春のうららに
渡りたい 渡れない

髪の芯まで飽きられる日が
来ないとも限らず
そしたらすぐに別れる勇気
ありそうでなさそで

橋の名は愛染橋
ただ一度渡ればもう戻れぬ
振り向けばそこから想い出橋

うちは愚かな女やからね
人生もよう知らん
けれどあなたに手招きされて
渡りたい 渡れない


12.あや子の幸せ小唄

作詞:浅倉玲
作曲:聖川湧

富士と言ったら日本一
高いお山の事だけど
富士も色々ありまして
あたし可憐な藤の花

花は花でもまだ固い
あたし蕾のつもりでも
人が言うには はやすには
お前とっくに花盛り

もしもそうならこの胸に
蝶の2匹や3匹は
飛んで止まっていいものを
悪い虫さえ飛んでこぬ

向いコタツで見つめ合い
さしつさされつ してるうち
肩を抱かれるいいとこで
今朝も夢から目がさめた

なってみたいの 幸せに
日本一とは言わないが
同じ呼び名にあやかって
富士のお山に手を合わす

富士のお山に手を合わす